3月25日 天坂希(CV:冬ノ熊肉)を聞きました。

ネタバレまみれの感想文です🧸

ふせったーに書いてTwitterに投稿していたものをこちらに移行しています!

 

「顔のいい男だ!!😄」の気持ちだけで買ったらえげつない話だった。すごいストーリーです。

 

 

 

 

 

 

 

 

http://girls.hobibox.net/data/products/products/hg_neige/hbgl_048.html

 

 

 

 

 

 

 

 

1 3月23日 始
怖い夢を見て飛び起きた希くん。時刻は午前2時30分です。
ヒロインがどんな怖い夢だったの?と聞くと、怖かったのは確かだけど夢の内容は覚えていない様子です。

付き合ってもうすぐ一年になるふたり。元々マンションの隣人だったけど挨拶を交わす程度の関係で、しっかり話すようになったきっかけはヒロインが部屋の鍵を失くして困っているところを見かけた希くんが、俺の部屋使って!と自分の部屋の鍵を渡してきたところからでした。ホビガ公式Twitterに上がってる前日譚SS(https://twitter.com/hb_girls2/status/1552649390837616640?s=46&t=BBv_4on0S8QYRFNvY6235Q)に、このやりとりが詳しく描かれています。

「ねえ、いい…?」と始まりますが、このトラックの希くん、全体的に落ち着いたトーンなんだけど、どこか悲しげで縋るような喋り方なんですよね。しあわせらぶらぶえっちではない。

ここからは熊肉さんの技術的な話だけど、ちゅーしてる時に口の中でぐちゅぐちゅ絡み合う音してるのとか、胸をただ優しくふわふわと舐めてるだけじゃなくて時折細かく速く舐めてる音がするところとか、入れてちゅーしてるときの「んん…んんっ……」って息とかがたいへんえっちでスペキャでした。違う世界の深淵を覗いてしまった気持ちです。

どこか悲しげな話し方をすると書いたけど、喘ぎも全体的に苦しそうというか切ない感じに聞こえました。絞り出すみたいな、やっぱりどこか縋るような。

このあたりからおやおや…?となってくるんだけど、
「君のことたくさんイかせて抱き潰しちゃうのもいいかなあ」「そしたら明日、外出なんてできなくなるよね」「どういうこと?なんて、そんなこと、聞く余裕あるんだ…ッ?」
と、ここから激しさを増して、本当に抱き潰してしまいそうな勢いです。
「イッたばっかりなんて知ってるよ、知ってて、わざとやってんだから…っ!」このセリフ、言葉だけ見たらいじわるなS彼っぽいじゃないですか?でも希くんの言い方は一味違ってて、どこか焦燥感があります。純粋にヒロインが気持ちよくなってる顔がたくさん見たいからやめないんじゃないんです。

最後、キスイキで二人いっしょに果てるんだけど、このキスイキがなんか静かでした。いつも聞いてるから猿飛さん比になってしまうけど、猿飛さんが演じる彼たちは「ん゛〜〜っ!」て言いながら分かりやすく果てる気がするから、新しい感覚でした。人には人のキスイキ。なに?

行為を終えたあと、甘えるように「ねえ、今日は俺とずっと一緒に家にいて?」とのおねがい。頷いたヒロインと指切りを交わすのでした。




2 3月23日 日常
翌朝。希くんが洗濯を終えて戻ってくると、切らしていた蜂蜜を買いに出かけようと支度をしてるヒロイン。
ここで一気に声色が変わって、まさか出かけるつもり?と問い詰めてきます。
ちょっと買い物に行くだけでも本当に嫌なようで、「お願いだからさ、約束、破らないで?」「俺を置いていかないでよ」「一緒にいて?」とやはり縋るように、涙ぐむように抱きしめる希くん。
彼にとっての昨晩の約束は、なにか特別な意味を持っているようでした。

買い物はやめにして、おうちで映画を見て過ごすことになりました。配信してるかなあ、と言いながら希くんがテレビをつけると、目に飛び込んできたのは二人の家の近くで起きた通り魔事件のニュース。
こんな物騒な事件もあるし買い物なんて、と言う希くんに対し大袈裟だよ〜と口にするヒロイン。
希くんは、そうやってみんな自分の身に起こるまでは他人事なんだ、とやはりいつもと様子が違います。変だよと言われても、単に彼女の心配してるだけ、過保護でもなんでもない、と。
努めて明るく振る舞っているような声色ですが、何かを抱えているのは確信的です。




3 3月23日 終
1日お家から出ずに過ごして、寝る前のベッド。
明後日、3/25は希くんの誕生日なんだそう。
本人は「なにもしなくていいよ、俺の誕生日なんて」とあまり重きを置いていなさそうですが、去年の誕生日は2人が付き合い始める2日前だったから、ヒロインは彼が生まれた大事な日をお祝いできなかったのが今でも悔しい様子です。
ということは、2人が付き合い始めたのは3/27ってことですね。

明日の仕事に支障がないようにするから、1回だけ、と始まるんですが、ここの 耳舐めが えげつねえんだが!?!?!?!?な、な、なんやこれ!?、?、!!!、?!?距離感もさることながら、なんか舌の動きがありありわかります。なんか舌を奥の方で細かく動かしている……この男…えっろ……うわあ……みみよわ族のみなさまお気をつけください。

指と耳(?)で1回イかせたあとに寝バックなんだけど、わたしが最近聞く作品だいたい寝バックある。流行ってるんですか?
トラック1よりも気持ちが開いてるというか、全体的になにかに囚われているような感じがなくて純粋に気持ちよくなってる声に聞こえます。焦燥感がなくなったというかなんというか。

いっしょに果てたあと眠くなってしまったヒロインへの「また明日 おやすみ」 がフェードアウトしていくんだけど、なんかいろんな意味がありそうだなって思った。後述します。




4 3月24日 運命
翌朝、目が覚めたら大型犬用の大きな檻に閉じ込められてるヒロイン。なんで???
「閉じ込めておかないと仕事しに行っちゃうから」「大変だったんだよ、この檻用意するの」「睡眠薬を自分以外に使うのは初めてだったから不安だったけど」と、悪びれる様子はなくあくまで明るめな声色で告げます。

こんなの嫌だ、と嘆くヒロインにもうこれしか方法がないんだ、ここにいれば君は安全、俺もそばにいる、今日さえ乗り越えればいい、そうすれば…!と必死に畳み掛けている中、

突然首から血が噴き出し絶命するヒロイン。

衝撃すぎて息が止まりました。
目の前で大切な人が血を流して死んでいるという状況が飲み込めず呆然と言葉を紡ぐところ、状況を理解してその姿を直視してえずいてしまうところ、どうして救えないんだと激昂するところ。正気を保てていないお芝居があまりにも上手すぎて、聞いてるのが本当にしんどかったです。

このトラックで語られることが物語の根幹というか、やっとここまでの話が繋がります。
要約すると、彼は何度も「ヒロインが死ぬ3月23日」を繰り返しています。
あるときは交通事故で、あるときは通り魔事件に巻き込まれて。どれも家の外で殺されてしまうから、家に閉じ込めればヒロインが殺される理由はなにもないはず。なのに、目に見えない何かにさえ、彼女は首を切られて殺されてしまった。
「そんなの、どうやって防げっていうんだよ…!!!」という叫び、本当に苦しいです。

「ずっと家にいて」という約束はヒロインが外に出て死んでしまわないように、でした。だからちょっと買い物に出ようとしただけでもあんなに必死に止めていたのです。
トラック1の最中での「わざとやってんだから…っ!」の苦しそうな声も、彼女を死なせないために、23日を凌ぐために、必死だったんでしょうね。

自分がどれだけ手を施しても彼女は命を落とす運命なのか。それならどうして嘲るかのように何度も繰り返されるのか。絶望の23日のループの中に、彼はいるというわけです。しんどすぎるやろ……




5 3月23日 再
息荒く飛び起きると、3月23日 午前2時30分。
やっぱり23日に戻っています。
あと何回ヒロインが死ぬのを見ないといけないんだ、自分は生まれてきてはいけなかった人間なのは分かってる、ちゃんと死ぬから、もうこんなひどい罰を繰り返さないで、と絶望に苛まれる希くん。

状況が飲み込めずどういうこと?と問うヒロインに、「生まれてきてはいけなかった人間」の真相を語り始めます。

希くんはお母さんが23歳のときに生まれました。でも、妊娠を望んでいなかったお母さんは彼が生まれたことで当時の恋人に捨てられて、それ以降の人生がめちゃくちゃになったと言います。
「人に迷惑をかけるな」「あんたが私の人生を狂わせた」「生まれてきたらいけない人間」「早く死ね」そんな言葉を毎日浴びせられながら生活していました。

限界が来て12歳で自殺しようとしたときには、散々死ねと言ってきたはずのお母さんに止められた挙句、「今死んだら無駄死にだ」「働けるようになったら育てた分のお金全部返してから死ね」と。

それから寮のある職場で働いて、稼いだお金は全部渡して、きっともう返し終わっただろうから、あとは死ぬだけ。
お母さんが23歳の時に生まれたことでそれからの人生を狂わせてしまったから、自分はそれより長く生きてはいけない。生きることは許されない。だから3月25日、23歳になる誕生日に、命を絶つのだと。

でも彼は23日を繰り返しているから、死なないといけない25日にたどり着けないんです。自分が死ぬ前に、ヒロインが死んでしまう23日が繰り返されるから。

ここで、人の人生を奪っておいて自分は生きているなんて許されない、と繰り返す希くんに「あなた自身は生きていたいの?」と問うヒロイン。
お母さんにそう言われ続けてきて死ぬことしか考えていなかった、でも、ヒロインと出会ってから少しずつ死ぬことが寂しいと思って、「生きたい」とは答えられないけれど、死にたくない理由なら、ある。
「俺、生きていいの?死ななくていいの?」
ア……( ; ; )ウウ……( ; ; )

「私が死んだら悲しい?」と聞かれて、ヒロインが死ぬのが嫌だから繰り返される23日であんなにもがいていたこと、いま希くんが死んだら同じように悲しむ人がいること、やっと気がつきました。
「もう死ぬなんて言わない」「俺の人生は母さんじゃなくて俺のものって君が言ってくれたから」と、母の呪縛から脱してこれからも生きていくことを選んだのです。

そしてさらに、打ち明けることがもうひとつ。怖い夢と、3月23日のループのことです。
彼はずっとヒロインが死んでしまう悪夢を見ていて、このトラックの最初に目覚めた時が6回目でした。

ヒロインは最初、交通事故で亡くなりました。料理に必要なはちみつを買いに行ったっきり帰ってこなかったそう。
自分以外の人が死ぬことは考えたことなかったから理解ができなくて、でもやっと理解が追いついて、予定より少し早いけど自殺を図りました。

そして、死んだはずなのに、目が覚めた。3月23日の午前2時30分に。ここからが2回目。悪い夢だと思っているうちに、また同じことが繰り返されました。過去に戻ってきてることに気がついたのはその時でした。

その後も、交通事故を回避しても今度は通り魔、通り魔を回避したらまた交通事故、果ては見えない何者かに首を切られて。どうやっても23日にヒロインが死んでしまう夢を見続けていたのです。
自分はどうせあと1日で死ぬのに、まるでヒロインが生きていてはいけないかのように、死ぬのが運命かのように、何をしても自分より先に死んでしまう。

ヒロインを助けられたら時間が進んで25日になって死ねると思っていたけど、自分が死んだらヒロインが悲しむと気づけたことで、こんな考えじゃこの悪夢を断ち切れない、全ての原因は自分の考え方にあった ということにも気がつくことができました。
「君を助けて、俺も、君といっしょに生きる」と告げる声は、生きる希望に満ちています。

「夢から覚めたらさ、ハチミツたっぷりのフレンチトースト作ってよ 約束」ここがホームページに書かれていたセリフでした。「夢」が「どう頑張ってもヒロインが死んでしまう悪夢」だったなんて、予想だにしませんでしたね。

「おやすみ、未来で会おう」トラック3と同じヒロインにおやすみを告げるシーンですが、今回はフェードアウトしないんです。
普通に考えたらこのシーンのヒロインはまだまどろみの中にはいないからハッキリ彼の声が聞こえている、という意味でフェードアウトしないんだろうけど、深読みオタクからすると、
トラック3はまだ悪夢のことを打ち明けていないので、「明日また彼女は死んでしまうんだろうな」という絶望というか、明るくない未来の暗示的な意味もあったりするのかなあって考えていました。考えすぎかな!!!(大の字)




6 3月25日 23歳
目が覚めると、いつもの午前2時30分ではなく、朝。
クラッカーを鳴らしたヒロインに「誕生日おめでとう」と言われて、思わずスマホで日付を確認すると、3月25日。3月23日のループを断ち切ることができました。ここの「やっと…進んだ……!!」が本当に好き。聞いてください。

思わず涙ながらにヒロインを抱きしめますが、ヒロインはなんで泣いてるの?クラッカーにびっくりしちゃった?と、状況が分からない様子。
クラッカーのせいじゃなくて、怖い夢を見ていたんだと言えば、「どんな夢だったの?」と問うヒロイン。

これ、トラック1と同じなんですよね。どちらのトラックでも、「怖い夢の話が聞きたいなんて変わってる」「怖いのは覚えてるけど内容はもう覚えてない」「あるだろ?起きたら忘れる夢」って、声のトーンや言葉尻は違えど全く同じこと言ってるんです。

どちらも同じ悪夢から目覚めたという状況だけど、ヒロインが死んでしまうループの中にいるか抜け出したかでこんなにも印象が変わるんですよね。
2時半か朝かってのもあるんだけど、トラック1の希くんがどれだけあのループに疲弊しきっていたか、最後まで聞くとありありと分かります。すごい。

ヒロインは彼の大好物、蜂蜜たっぷりのフレンチトーストを作ってくれています。
「一緒に、朝食食べよ!」大好きなものと、大好きな人と一緒に、かけがえない3月25日が始まるのでした。



 

しんどすぎて死にかけたけど生還しました。

彼の生い立ちが重めなCDっていくつか聞いたことがあるんですけど、わたしが聞いたことあるものの中でダントツでキツい生い立ちだったと思います。
「母に捨てられる」ももちろんしんどいけど、「捨てられないけど生きることを否定され続ける」って、ほんと、生き地獄だと思うんですよ。


生い立ちが重いというところも含め、ひとつ印象深かったことを書きます。他声優さんの作品の話が混ざるので、不快に思う方がいたらすみません。読み飛ばしてください。

わたしは猿飛総司さんの作品を聞くことが多いんですが、雨の痕外伝4の伊勢貴成と重なる部分が多いなあと思ったんです。
彼もまた、母からの愛を受けず育った青年です。でも、母が自分に向ける愛情を、大人になった今でも心のどこかで探していました。

希くんも少し近いものがあるかなと思って。
お母さんが苦しんだ歳までしか生きてはいけないと思っているあたり、お母さんに対する償いみたいに感じたんです。
母から愛情を向けられていなくても、思考や価値観が母に支配されているみたいなところが、ちょっと近い気がしました。
なんかこの感覚を上手に文字にできないから全然伝わらない気がするけど。大切なヒロインを守るために家に閉じ込めるのも同じだね。

書ききれないほど散りばめられた伏線やセリフのニュアンスが綺麗に回収されて全てが繋がったときの衝撃も、伊勢貴成を初めて聞いた時の感覚と似ていたんですよね…


あと、ループものの作品に触れててよくある感覚だと思うんだけど、これどこまでが夢なんだろう?っていう。
トラック1〜3はそれぞれ何回目かの23日の深夜、昼前、夜だと思うんだけど、そこからまた23日を繰り返すなら23日の午前2時半に戻るじゃないですか?次のトラック24日の朝なんですよね。進んだってこと?

トラック5でいま抜け出せずにいるループのことをヒロインに説明して、トラック6でそのループが解けたなら、ヒロインも一緒に喜ぶと思うんですよ。でもむしろヒロインは状況がわかってない感じだったから、もしかして、トラック6しか、現実じゃない……ってコト!?
わからなすぎて、ちいかわが出てしまいました。ループに強い有識者の方、見解お待ちしています(?)


人間、ある程度歳を取ってからじゃないと自分が死ぬ時のことなんて考えないと思うんです。それこそ作中の通り魔の話じゃないけど、どこか遠いところの話というか。
でも希くんは23歳になるまでずっと生きることより死ぬことを考えてきたんですよね。
働いてお母さんに全てのお金を渡して、きっと空っぽの人生だったんだろうな。そこに現れた大切なヒロインだったから、この先も一緒に生きていきたいと思えたんだんろうな〜〜。


あと、ストーリーもさることながら、やっぱり冬ノ熊肉さんのお芝居が本当にすごかったです。
冒頭のループの絶望を感じさせる声、ヒロインが目の前で絶命した時の正気を保てていない声、ループが解けて未来に歩みはじめる前向きな声、どれも心を揺さぶるものがありました。
熊肉さんの作品はみみくんしか持ってないので、お芝居の幅を感じられて楽しかったです。めちゃくちゃしんどかったけどな!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!



おそらく過去最長の感想文になってしまいました。感想文というか物語の説明が多くなってしまったけど。

ここまで辿り着いた人、いるのかな?笑
クソ長感想、最後までお読みいただき本当にありがとうございます!( ; ; )
わたしの文章だけではこの作品の良さは伝わりきらないと思うので、ぜひお手に取って聞いてもらえたら嬉しいです…!( ; ; )